平成仮面ライダーシリーズ屈指の傑作として名高い『仮面ライダーW(ダブル)』。桐山漣と菅田将暉のダブル主演によるスタイリッシュな探偵劇として語り継がれる本作ですが、ファンの間では「あのインターネットで誰もが知る『例のプール』が劇中に登場している」という話題が定期的にSNSを騒がせています。
深夜ドラマや成人向け作品の定番ロケ地としてミーム化されたあの特徴的なプールが、日曜朝の国民的特撮ヒーロー番組に本当に映り込んでいたのか。本記事では、当時の本編映像データ、制作スタッフのロケーション選定の裏事情、スタジオの正式な素性まで徹底取材し、噂の全貌を明らかにします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:『仮面ライダーW』第11話「復讐のV/感染車」の作中において、ゲストキャラクターが潜伏するペントハウスのロケ地として実際に「例のプール」が使用されている。
- 要点2:スタジオの正式名称は東京都新宿区にある「No.9花園ルーム」であり、都心の好立地と天候に左右されない天窓付き屋内プールという設備面から、特撮や一般ドラマで頻繁に重宝されていた。
- 要点3:『仮面ライダーフォーゼ』第21話など他の東映特撮作品でも複数回登場しており、制作現場の実務的合理性とネットカルチャーの偶然の交差が生んだ現象である。
【真相解明】仮面ライダーWに「例のプール」が登場したのは何話のどのシーンか?
特撮ファンの間で長年囁かれ続けてきた「仮面ライダーWに例のプールが登場した」という噂は、紛れもない事実です。該当するエピソードは、2009年11月22日にテレビ朝日系列で全国放送された『仮面ライダーW』第11話「復讐のV/感染車」となります。
物語の中盤、バイラス・ドーパントの脅威に怯え、主人公・左翔太郎たちから身を隠そうとした裏社会のチンピラ・黒須(演:HIRO/安田大サーカス)が潜伏していた「プール付きの豪華な高級マンションの一室」として画面に映し出されました。黒須が怯えながら水辺のベッドで横たわり、部下たちを怒鳴り散らす緊迫したサスペンスシーンにおいて、あの特徴的なガラス張りの天窓、白を基調としたタイル張りのフロア、そして屋内に設えられた長方形の水面がはっきりと確認できます。
一部のファンの間では「敵組織の黒幕である園咲家の豪邸(園咲邸)の屋内プールではないか」という誤解も散見されます。しかし、仮面ライダーWの園咲邸ロケ地として重厚な外観や大広間に使われていたのは西洋館建築(千葉県内の洋館ロケ地など)であり、例のプールが使われたのはあくまで第11話の黒須のアジトです。このシーンの明瞭なカメラワークと独特の内装配置が、当時のネット視聴者たちに強烈な既視感を与える発端となりました。
「例のプール」の正式名称と撮影場所|No9花園ルーム(新宿)の正体
ネットカルチャーの文脈で「例のプール」という通称が完全に定着していますが、その建築物の正体は、株式会社ピースマインドが運営する実在のレンタルハウススタジオ「No.9花園ルーム(スタジオ花園ルーム)」です。
所在地は東京都新宿区新宿1丁目19-10。東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑前駅から徒歩数分という都心の一等地に建つビルの最上階(9階・10階・屋上階)に位置しています。最大の特徴は、ビルの高層階でありながら室内に縦約6.5m×横約3.5mの本格的な温水プールを備えている点です。
このロケ地が映像業界で長年重宝されてきた理由は、単なる奇抜さだけではありません。以下の実務的なメリットが揃っていたためです。
- 都心部・東映大泉撮影所からの抜群のアクセス:過密な撮影スケジュールの中で、役者や大掛かりな機材の移動コストを大幅に削減できる。
- 自然光を取り込める巨大なガラス天窓:全天候型の屋内スタジオでありながら、日中は自然光を活かしたリッチな画作りが可能。
- 一箇所で多彩なシーンが撮影可能な構造:プールサイドだけでなく、隣接するリビング、バーカウンター、らせん階段など、複数のアングルを一棟内で確保できる。
【データ比較】特撮作品における「例のプール」登場実績とスタジオスペック
映像制作における利便性の高さから、「No.9花園ルーム」は『仮面ライダーW』以外の特撮ヒーロー番組や一般商業ドラマでも幾度となく採用されてきました。特撮ファンが押さえておくべき主要な登場データとスタジオのスペックを比較整理しました。
| 作品名 / 施設項目 | 該当話・作中設定 / 設備詳細 | 一般的な認知・利用用途 | 編集部の解説・選定理由 |
|---|---|---|---|
| 仮面ライダーW | 第11話「復讐のV/感染車」 (チンピラ・黒須の隠れ家) | 裏社会の人間が潜む豪華なペントハウス | 成金趣味と緊迫した密室劇を演出するため、屋内プールの非日常感が最適に機能した。 |
| 仮面ライダーフォーゼ | 第21話「進・路・誤・導」 (セレブ高校生・江川留己の豪邸) | 白鳥のような優雅なセレブの私邸 | キグナス・ゾディアーツ変身者の気品と財力を象徴する背景として明るい日差しを活用。 |
| 特命戦隊ゴーバスターズ | 第34話「敵はビートバスター?!」 (富豪の別荘シーン) | 戦隊シリーズにおける資産家のアジト | 東映特撮のローテーションスタジオとして、ライダー・戦隊双方の助監督陣に周知されていた証左。 |
| スタジオスペック (No.9花園ルーム) | 東京都新宿区新宿1-19-10 総面積 約150㎡(プール・天窓完備) | 商業写真、グラビア、MV、ドラマ、成人向け撮影 | 都内唯一無二の室内プール構造。時間貸しレンタルスタジオとして業界全体に浸透。 |
仮面ライダーフォーゼやスーパー戦隊でも!特撮界に広がる「あのスタジオ」の足跡
「例のプール」が登場した特撮作品は『仮面ライダーW』だけにとどまりません。2012年2月5日に放送された『仮面ライダーフォーゼ』第21話「進・路・誤・導」でも、極めて印象的な舞台として再登場しています。
作中で登場した生徒・江川留己は、端正な容姿とセレブな家柄を持つ「白馬の王子様」的存在。彼が自宅のリビング兼プールサイドで優雅に佇み、主人公の如月弦太朗たちと対峙するシーンの撮影場所として「No.9花園ルーム」が起用されました。『W』のダークで緊迫感のあるライティングとは対照的に、『フォーゼ』では天窓から降り注ぐクリアな自然光を最大限に活かし、爽やかで眩しいセレブ邸として描かれています。
なぜ東映特撮チームは、これほどまでに同じスタジオを活用したのか。当時の制作進行関係者の証言やロケ地選定の構造を辿ると、「タイトな撮影スケジュール」「冬場の撮影環境」「予算の効率化」という極めてプロフェッショナルな現実が見えてきます。
特撮番組の制作現場は、週1回の過密な放送スケジュールを維持するため、1ブロック(2話分)をわずか数日で撮り切る必要があります。屋外のプールロケは天候不良や冬の寒冷リスクに直面しますが、温水設備と天窓を持つNo.9花園ルームであれば、季節や雨天を問わず「水辺のリッチなシーン」を確実に成立させることができたのです。
ネットの熱狂と聖地巡礼カルチャー|ミーム化が生んだ特撮ファンの心理構造
放送当時、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の実況スレッドや黎明期のTwitter(現・X)では、「仮面ライダーに例のプールが出ている」「日曜の朝8時に見てはいけない背景が映った」と祭り状態になりました。このネット上の爆発的な反応の背景には、「認知的不協和」と「秘密の共有感」という心理的メカニズムが存在します。
子ども向けの健全な王道ヒーロー番組である『仮面ライダー』の画面に、深夜番組や成人向けカルチャーを象徴するアイコンが堂々と登場したことによる落差。これが視聴者にとって強烈なユーモアとカタルシスを生み出しました。
以降、コスプレ撮影や特撮ファンによる「例のプールの聖地巡礼」という独自のサブカルチャー現象へと発展していきます。ファンにとっては、単なるスタジオ見学を超えて、「ネットミームの聖地」と「愛するヒーローが実際に演技をした舞台」という2重の意味を持つ特別な空間として再解釈されたのです。
【実態検証】No.9花園ルームの利用条件と聖地巡礼のハードル
「自分も仮面ライダーWの撮影場所に足を運んでみたい」と考えるファンは少なくありません。しかし、現場を訪れるにあたっては、一般的な観光地とは異なる厳格なスタジオ利用ルールを理解しておく必要があります。
No.9花園ルームは私有地内の商業レンタルスタジオであり、一般向けの自由見学や観光客向けの開放は一切行われていません。内部に入るための唯一の手段は、正規の手続きを経てスタジオを貸し切ることです。
- 利用料金の相場:スチール撮影・ムービー撮影ともに1時間あたり約1万5,000円〜2万5,000円前後(最低利用時間4時間以上などの規定あり)。個人でふらりと立ち寄るには一定のコストがかかります。
- 予約と審査:利用目的(コスプレ撮影会、商業撮影、イベント等)の事前申請が必要であり、近隣住民への配慮から大音量を出す行為やビル共用部での撮影は厳格に禁止されています。
- マンション共用部への立ち入り禁止:スタジオが入居するサンハイツ大新宿は一般の居住者や他テナントも利用する複合ビルです。エントランスや階段での無断撮影、待ち伏せ行為は固く禁じられています。
【プロの結論】ロケ地探訪を楽しむ人と慎重になるべき人の判断基準
特撮作品のロケ地巡礼は、作品世界への没入感を深める素晴らしいファン活動です。しかし、対象が民間スタジオである以上、向き不向きの明確な線引きが求められます。
【正規利用に向いている人】
複数人のファン仲間やコスプレイヤーと費用を分担し、撮影会としてルールを守ってスタジオレンタルを申し込めるグループ。作品へのリスペクトを持ち、設備を丁寧に扱える層にはかけがえのない体験価値を提供してくれます。
【行動を控えるべき・慎重になるべき人】
「ビルの外観だけでも見に行きたい」「予約なしで中を覗いてみたい」という個人ファン。スタジオ外観の撮影や無断立ち入りはビル管理組合や近隣住民の迷惑となり、作品や特撮ファン全体の社会的信用を損なうリスクがあります。作品映像の配信や公式資料集の鑑賞で楽しむのが最もスマートな選択です。
【例のプール 仮面ライダーw】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『仮面ライダーW』の何話で「例のプール」が登場しますか?
A1:第11話「復讐のV/感染車」(2009年11月22日放送)に登場します。作中で裏社会のチンピラ・黒須がバイラス・ドーパントから逃れるために潜伏していた高級マンションの屋内プールとして使用されました。
Q2:あのプールの正式名称と所在地はどこですか?
A2:正式名称はレンタルハウススタジオ「No.9花園ルーム(スタジオ花園ルーム)」です。所在地は東京都新宿区新宿1-19-10のビル最上階に位置しています。
Q3:敵組織「ミュージアム」の園咲邸プールと同じ場所ですか?
A3:いいえ、異なります。園咲邸のシーンは別の歴史的洋館などで撮影されており、No.9花園ルームが使用されたのは第11話の黒須のアジトのシーンのみです。
Q4:一般人でも見学や観光で中に入れますか?
A4:自由見学や観光目的での立ち入りはできません。商業用の撮影スタジオであるため、内部に入るには公式窓口から撮影・イベント用途として正規の貸切予約を行う必要があります。
Q5:仮面ライダーシリーズの他の作品でも登場していますか?
A5:はい。2012年放送の『仮面ライダーフォーゼ』第21話「進・路・誤・導」において、セレブ高校生・江川留己の豪邸として登場しています。また、スーパー戦隊シリーズの『特命戦隊ゴーバスターズ』第34話などでもロケ地として起用されました。
まとめ:知れば納得!仮面ライダーWと名作スタジオが紡いだ特撮史の舞台裏
『仮面ライダーW』に「例のプール」が登場したという現象は、ネット上の単なる都市伝説ではなく、過密な特撮制作現場における撮影効率の追求と、都内屈指のユニークなスタジオ設備が合致した結果生じた実話でした。
ダークサスペンスとしての緊張感を高めるペントハウスとして巧みに映像へ落とし込んだスタッフの演出力。そして、それを鋭く見つけ出してカルチャーへと昇華させた視聴者の熱量。配信サービス等で『仮面ライダーW』第11話を再鑑賞する際は、物語の緻密な構成とともに、平成特撮の現場を支えた名ロケ地のディテールにもぜひ注目してみてください。 (出典: 例のプール 仮面ライダーw(Yahoo!ニュース))